亜貴「あぁ、本当に亜里抄ったら……」
目の前にある大きなお尻がプルルと揺れる。
まだボンヤリとした頭には、そのお尻が喋ったように感じてしまう。
亜里抄「ママまでイジワルな事言うんだ。亜里沙、ママの為に……」
亜里抄と呼ばれていた女の子の声が、少し涙ぐむ。
亜里抄ちゃんって言うのは確か……。
俺が今日から勉強を教える筈だった女の子だよな。
俺は、その教え子に飛び蹴りを入れられたという事か?
亜貴「わ、分かってるわ。亜里抄は、ママの為を思ってくれたのよね。その気持ちは、
     ママすごく嬉しい」
亜里抄「えっへへへ〜」
涙ぐんだと思っていた声が瞬く間に、嬉しそうな笑い声に変る。
那美「でも、すごいわね。男の人を一蹴りで気絶させちゃうなんて」
亜里抄「えへ、男子なんかに負けないよ! 学校でも負けた事ないんだから」
亜貴「亜里抄、女の子なんだからそんなに乱暴な事しちゃダメよ」
亜里抄「全然乱暴じゃないもん。正義の為なんだから」
チョコチョコと動く可愛らしい女の子。
この子が亜里抄ちゃんなのか。
お尻の主が亜貴さんだとすると、もう一人の女の人は誰だ?
那美「ふふっ、亜里抄ちゃんは元気があって良いわね」
亜里抄「亜里沙は、いつも元気イッパイだよ」
亜貴「亜里抄、止めなさい。スカートがめくれてるでしょ」
亜里抄「い〜っだ! ママの言う事なんか聞かないもんね〜」
亜貴「コラ! 亜里抄!!」
母子というよりも、姉妹と言った方が良い。
そんな亜貴さんと亜里抄さんの関係に微笑ましさを感じてしまう。
しかし………。


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