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(あ……ッ、やだっ、やだあぁっ、そこ、だめぇっ!!) 
つつ……くっ……くにゅっ……。 
ボクがジッとしてるから、男はどんどんエスカレートしてくる。 
指はゆっくり太腿を這い上がると、とうとう下着の上から、ボクの割れ目に……這い回り始めた。 
【響】 
(いやあぁ……さ、触んないで……そんなトコ、触っちゃ、やだぁ……っ) 
くっ、くにゅっ、くにゅっ……。 
二本の指が、割れ目の上にピッタリ押し付けられる。 
そして……、肉の弾力を確かめるみたいに、下着の上からやわやわ……そこを押し込んできた。 
【響】 
(やだ……やだ……) 
脚が細かに痙攣する。 
初めて感じる他人の熱。 
他人の指。 
他人の動き。 
でもそれは、想像以上にボクを戸惑わせて、怯えさせてる。 
男の欲情を強制的に感じさせられる。 
それがこんなにやらしくて恐くて、気持ち悪いことだったなんて。 
【響】 
(ひぁ、う……、動かさないで……) 
しゅっ、しゅっ……。 
男は二本の指、軽く前後に擦ってくる。 
頭に吹きかけられてる熱い、濡れた息。 
それから、背中に不定期に押し付けられる、今にも破裂しそうな……。 
……でも、どうして。 
そんな状況なのにボク……、 
【響】 
(ひんっ……!) 
ビクンッ……。 
男の指がある部分を触っていった時、ボク、思わず体……震わせちゃってた。 
【響】 
(ひっ、なっ、なに……っ) 
ボク自身、一瞬それが何なのか判んなかった。 
鈍くて、でも確かに、喉元に突き上がってきた感覚。 
【響】 
(やっ、やだっ、もう離してっ) 
急に、ボクは不安になった。 
怯えきって、気味悪がってる筈の体が、何だかおかしな反応……見せた、なんて。 
それはボクには、凄く悪いコトみたいに思えたから。 
でも……、でもボクのその反応は、男の指にも伝わっちゃってたみたいだった。 
【響】 
(いやあぁ……、やだ、前の方、来ないでよう……) 
調子付いた指が、ずり……って動く。 
男の指先は探るようにして、ボクの下着を押し潰してきた。 
そして、 
【響】 
(んうぅっ!) 
こりっ、て硬い粒に、指先が行き当たる。 
その瞬間、ボクの体はまた小さく戦いた。 
【響】 
(はあ、は……っ、ん、やだ、触んないで……) 
微かに、ボクは懇願するようにいやいやをした。 
でも……もう男の指は止まんなかった。 
ふっ、ふっ、て熱い息が繰り返されてる。 
背中には硬いモノが一層強く押し付けられて、ボクの身じろぎをいよいよ不可能にしてしまう。 
【響】 
(い……あぁ……くりくり……って、しちゃ、いやぁ……っ) 
くにゅっ、くにゅっ、くにゅっ……。 
指先が細かく動き始める。 
男の指先は、ボクの一番敏感な部分を見つけて、そこだけを執拗に弄り始めてた。 
【響】 
(や……あっ、あん……いやぁ……やなのに……) 
嫌なのにどうして。 
ボクは泣き出しそうな目を細めて、短くて熱い吐息を零した。 
喉元に次々這い上がってくる塊。 
それは胸の奥で弾けて、体中に広がってく。 
 
 
  
  
 
  
  
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