【響】
「……じゃ……、じゃあ……する……ね……」
恥ずかしさを必死で隠しながら、ボクは下着をする……っと脱ぎ捨てた。
箱から出したバイブを握り直すと、ボクは割れ目にゆっくり、その先端をあてがっていく。
【響】
「あ……、っ……」
つ……っ。
割れ目にシリコンの先っぽが触れる。
その感覚だけでも、小さな声が漏れ出した。
【響】
(……な……んか……、敏感になってる……)
こんなにジッと見られてるからだ。
きゅっと、ボクは身を縮めた。
【秀平】
「うふっ…………」
堪らない……と言った様子で、秀平が声を上げる。
見せ物になってるような恥ずかしさで、ボクは秀平と目を合わせられなかった。
【響】
(は……早く終わっちゃおう……)
何だか居たたまれない。
一人でする……ってそれだけでも恥ずかしいのに、それをジーッと見られ続けてるなんて、冗談じゃないよぉ……。
【響】
「う……、……っ……」
つつ……っ。
ボクはバイブの先っぽで、ゆっくりと割れ目をなぞっていった。
最初はさすがに何ともなかった、けど、二回、三回……。往復させてる内に、にゅる……にゅる……って、えっちな感覚が伝わってくる。
【響】
(あ……っ、も、もう……濡れて来ちゃった……)
こんなに早く?
思って……でも確かに、ぬるっとした手応えがバイブから伝わってくる。
電話をもらってからずっと続いてた、淡い期待。
それが今一気に溢れ出してるみたいだった。
【響】
「ふ……っ、……っん……」
声を、ボクは出来るだけ堪えた。
だって、こんなトコ見られてえっちな声出しちゃうなんて……。
【響】
(っ……やだ……音……)
ちゅる……、ちゅっ……。
静かに上下してる場所から、その内小さな音まで立ち始める。
強烈な恥ずかしさに、ボクはぎゅうっ……と体を強ばらせた。
【秀平】
「はふっ……はふっ……はふっ……」
秀平の荒っぽい息が、ボクの耳にも入ってくる。
視線は向けられなかったから、秀平がどんな表情をしてるのかは判んなかったけど……。
でも、興奮してる様子だけはビリビリ、肌に伝わってくるみたいだった。
【響】
(やだ……、み、見られてる……、……っ……濡れてるトコ……)
こんなコトさせられて、でも濡らしちゃってるトコ、秀平に……見られてる。
【響】
(こんなことして興奮してる……って……ばれちゃう……)
凄く……凄くえっちだって思われちゃう。
こんなことさせられて悦んでる、って。
――でも確かに、ボクの体はそこへの刺激を何より悦んでる。
骨の髄からジクッ、ジクッて重い衝動が響いて、あっと言う間に、ボクは息を乱し始めてしまった。
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