木之下 潤子 本作品のヒロインで、創法大学人文学部心理学科に在籍しつつ教授見習いを務める女性。 物事を教える際、学生とは教え・教えられる関係になろうと努力している。何に対しても一生懸命取り組もうとし、その姿は傍から見ると尊敬に値するのだが、必ずどこかに抜け目があり、周囲の人間からは彼女のそんなところに好感を持たれている。 現学長である城之内正義という人物に好意を寄せており、何とか近づこうと懸命になっている。若干背伸びしているように見えるのは、本人の力量がまだ未熟なため。 彼女が創法大学を訪れたきっかけは、城之内正義の一冊の著書。「絶望という名の迷宮を抜けて」と題されたその本を読み心を動かされ、実際に接していく内に恋に落ちる。 主人公とは、その一冊の本が共通の話題となる。初めの内は学長に恋し、主人公は相談相手として扱われるが、ある出来事をきっかけに、その気持ちは徐々に揺れ動いていく。 「生まれた者には必ず悲しみがつきまとう。…でもね、生きている者には、きっと嬉しい事も用意されているのよ。 あっ、でもこれって、ある本の受け売りなの。知ってた…?」 |